お知らせ
2024年02月15日
【すこやか健保☆定期便のご案内】足がつる、むくむ、血管が浮き出ている……もしかして下肢静脈瘤かもしれません(2月号)

足がつる、むくむ、血管が浮き出ている……もしかして下肢静脈瘤かもしれません

足のすねやふくらはぎにクモの巣のような

細かい血管が拡がっていたり、ウネウネとした

太い血管が浮き出たりしていませんか?

実はそれは「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という病気の疑いがあります。

足がつる、むくむなど足の不調は生活の質を低下させ、

見た目が悪いために審美面での悩みにもつながります。

現在、下肢静脈瘤専門クリニックの院長として

開院以来4000件を超える下肢静脈瘤の

治療実績を持つ齋藤陽先生に話をお聞きしました。

目に見える血管の異常は

静脈の「弁」の故障が原因

まずは「セルフチェック」をしてみましょう。該当する項目がある人は、太ももやひざ裏の毛細血管が目立っていないか、足のすねやふくらはぎの血管が浮き出ていないかを確認してみてください。当てはまる症状があれば、下肢静脈瘤の疑いがあります。

人の血管には、心臓から酸素や栄養素を含んだ血液を全身に送る「動脈」と、二酸化炭素や老廃物を含んだ血液を心臓に戻す「静脈」があります。下肢、つまり心臓から最も遠い場所にある足の血液が心臓に戻るためには、重力に逆らって上昇しなければなりません。そのためにふくらはぎや太ももなどの筋肉が収縮して静脈を押します。これを筋肉のポンプ作用といいます。このポンプ作用で血液を押し上げているのです。しかし、押し上げられた血液も、そのままでは重力で下がってしまいます。これを防ぐのが静脈に数センチ間隔にある逆流防止「弁」です。

この弁の機能が悪くなったり、壊れたりすると、血液が逆流して下肢にたまり下肢静脈瘤が発症するのです。静脈が膨らんだり、ウネウネと曲がったりするのは、弁の異常による症状です。足の静脈には、皮膚と筋肉の間を走る「表在(ひょうざい)静脈」と筋肉の中を走る「深部(しんぶ)静脈」があり、弁の異常を起こしやすいのは表在静脈です。血液がスムーズに上昇しないと、下肢の静脈に老廃物を含んだ血液が貯留し、そのため足がつる、むくむ、だるさを感じる、湿疹やけがが治りにくくなる、などの症状が起こります。

弁が正常に機能しなくなる原因は、加齢や遺伝的な要因が関係しているといわれていますが、「立ち仕事やデスクワークが多い」「妊娠・出産を経験した」「運動不足で肥満傾向である」「便秘になりやすい」などが該当する人は特に注意が必要です。中でも長時間の立ち仕事やデスクワークは、足の筋肉を動かすことで生まれるポンプ作用が働かず、下肢に血液がたまりやすくなります。そのため常に弁に負担がかかり故障しやすくなるのです。

治療法は「引き抜く」から「焼く」に変化

下肢静脈瘤の診断は問診、視診、超音波検査で行います。超音波検査では外見では分からない静脈の曲がりや太さの異常、逆流の有無がモニター画面ではっきり確認することができます。

この病気に直接効果のある薬はなく、症状を改善する圧迫治療と、弁が壊れ機能不全に陥っている静脈を除去する手術治療が行われます。

圧迫治療とは、医療用の靴下「弾性ストッキング」を履き、故障した弁と低下している筋肉のポンプ作用を強化する治療法です。特殊なストッキングを履くだけなので、軽症から重症の人まですぐに始められるメリットがありますが、脱ぐと効果はなくなります。

根本的な治療では、静脈の逆流を止める手術を行います。主な治療法には「硬化治療」「血管内焼灼(しょうしゃく)術」「ストリッピング術」があります。

硬化治療は、静脈に硬化剤を注入して意図的に炎症を起こすことで、弁が壊れて血液が逆流している静脈を閉塞させる治療法です。

血管内焼灼術は、静脈内にカテーテルという細い管を入れ、逆流している静脈を焼灼して閉塞させます。カテーテルにはレーザーと高周波の2種類があります。

ストリッピング術は、皮膚を切開して逆流している静脈を引き抜いてしまう治療法です。百年以上の歴史がある治療法ですが、最近は皮膚切開の必要がなく、痛みも少なく入院の必要のない血管内焼灼術が主流になっています。

下肢静脈瘤はすぐに命に関わる病気ではありませんが、下肢の不調や見た目の悪さから審美面での悩みにつながり、QOL(生活の質)を大きく低下させます。放置せず、早めにこの病気に詳しい医師の診察を受けることをお勧めします。

セルフチェック「こんな症状はありませんか?」

□寝ているとき、よく足がつる

□足が重くてだるい

□夕方になると足がむくむ

□足に治りが悪い、湿疹やかゆみがある

□くるぶしの皮膚が茶色くなってきた

□すねの皮膚が硬くなってきた

 

監修:齋藤  陽(あきら)先生

目黒外科 院長

Column

主な下肢静脈瘤は4種類

下肢静脈瘤は大きく「伏在型(ふくざいがた)静脈瘤」「側枝型(そくしがた)静脈瘤」「クモの巣状静脈瘤」「網目状(あみめじょう)静脈瘤」に分けられます。

「伏在型静脈瘤」は伏在静脈の弁不全に起因する伏在静脈およびその側枝の拡張による下肢静脈瘤のことです。「側枝型静脈瘤」は伏在静脈の弁不全はなく、側枝静脈単独の弁不全による下

肢静脈瘤です。太ももやひざ、ふくらはぎにある直径0.1〜1ミリの毛細血管にできた静脈瘤が「クモの巣状静脈瘤」で赤や紫の血管が浮き出ます。「網目状静脈瘤」は太ももやひざ、ふくらはぎに多く現れる直径2ミリ以下の青色の静脈瘤で、クモの巣状静脈瘤とつながっていることも多く見られます。

他にも、女性特有の妊娠中に現れることが多い陰部静脈瘤があります。子宮や卵巣など骨盤内の静脈から発生するため骨盤静脈瘤とも呼ばれます。

健康マメ知識

下肢静脈瘤は何科にかかればいいの

下肢静脈瘤は何科を受診すればいいのでしょうか。監修をお願いした目黒外科の齋藤先生は「診療できる科は心臓血管外科、外科、消化器外科、形成外科などいろいろあります。最近は、診療科目に下肢静脈瘤と記載されている医療機関も増えています。その上で、治療経験者にその医療機関の印象を聞いたり、ホームページで患者さんの経験談(口コミ)を確認したりするのがお勧めです」と話されます。

また信頼できる医師を見つけるポイントも教えていただきましたので参考にしてください。

□ 患者の話をきちんと聞いてくれる

□ 病状を分かりやすく説明してくれる

□ 手術実績をHPなどで開示している

□ 学会で発表している

□ すぐに手術を勧めない

提供元:健康保険組合連合会(すこやか健保2023年3月号) **禁無断転載**

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