お知らせ
2024年10月15日
【すこやか健保☆定期便のご案内】充実した人生を送るために 現役時代からのロコモ対策が重要!(10月号)

充実した人生を送るために 現役時代からのロコモ対策が重要!

わが国の高齢化率は過去最高の29・1%(2023年)となり、高齢者の就業率も年々上昇傾向にあります。
一方、厚生労働省の23年労働災害発生状況の調査では、労働災害全体の26・6%を「転倒」が占めています。
特に高年齢労働者は転倒リスクが高まるといわれており、その原因の1つとして、加齢に伴う筋力やバランス感覚の低下等が指摘されています。
立ったり歩いたりする身体能力が低下した状態が「ロコモティブシンドローム」(以下、ロコモ)です。
ロコモが進行すると将来、要介護や寝たきりになってしまう可能性が高いため、若い頃から適切な生活習慣や運動をすることで、ロコモを予防することが大切です。

 

労働力人口の高齢化と転倒事故の増加

本年6月に政府が公表した「2024年版高齢社会白書」によると、わが国の総人口は23年10月1日現在、1億2435万人、これに伴い、同年の労働力人口(6925万人)のうち65歳以上人口は約931万人、労働力人口に占める割合は13・4%となり、上昇傾向にあるとしています。

一方、介護保険制度における65歳以上の第1号被保険者のうち、21年度に要介護または要支援の認定を受けた人は676・6万人で、第1号被保険者の18・9%に当たります。要介護・要支援となった主な原因を見ると認知症(16・6%)、脳血管疾患(16・1%)に次いで、転倒・骨折が13・9%を占めています(図参照)。
厚労省が公表した23年労働災害発生状況の調査でも、労働災害全体の26・6%を「転倒」が占めています。特に労働力人口の高齢化に伴い、高年齢労働者は転倒リスクが高まるといわれており、転倒の一因として加齢に伴う筋力低下やバランス感覚の低下などが指摘されています。

 

健康寿命の延伸に必要な筋力の維持

健康上の問題で日常生活に制限のない期間の平均とされる「健康寿命」を延伸するには、日常生活に支障を来す状態とならないための取り組みが重要となります。このため、健康増進を図るための国民運動である「健康日本21(第三次、2024〜35年度)」では、ロコモに関する目標として「足腰に痛みのある65歳以上高齢者数(人口千人当たり)の減少」を掲げました。
こうした中、本年は健保連・健保組合が主催する健康強調月間事業の一環として、ロコモの一因と指摘されている筋力低下の予防を意識したポスターを作成しました。ポスターでは「片脚立ちで靴下履けますか?」をキャッチコピーとし、気が付かないうちに筋力が低下している可能性があることに言及しつつ、筋力維持を意識した食生活や運動習慣が健康寿命の延伸に必要な取り組みだと呼びかけています。
筋力は若い時から維持することが重要です。ただ、家事・労働・通勤・通学など日常生活における活動量だけでは、十分といえないかもしれません。そこで、「健康マメ知識」では国のガイドが推奨している「筋力トレーニング(筋トレ)」を紹介しています。
その効果について同ガイドでは、筋トレを実施している群は実施していない群に比べ、総死亡、心血管疾患などの発症リスクが低いことを指摘しています。また、筋力は年齢に関係なく鍛えることができ、特に高齢者の筋力の維持・向上の一環として筋トレが推奨されているのです。

 

ロコモ度を調べてみよう

厚労省は、スマート・ライフ・プロジェクトの一環として、自分の足で一生歩ける体に、をコンセプトに「毎日かんたん!ロコモ予防」特設Webコンテンツを公開しました。このコンテンツでは、
①ロコモについての基礎知識
②ロコモ度チェック
③予防対策(ロコトレ)
が3つの動画で紹介されており、このうちロコモ度チェックとしては、室内で簡単に行える2つの方法が紹介されています。
これからもイキイキと過ごしていくため、まずはあなたのロコモ度を調べてみませんか。

「毎日かんたん!ロコモ予防」特設Webはこちらから

Column

高齢者女性の体力は向上傾向

高齢化が進む中、男性(65歳以上)の体力がおおむね横ばい傾向にあるのに対し、女性(同)の体力が向上傾向にあることが、「2024年版高齢社会白書」で分かりました。同白書では、男女の新体力テスト(握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行)の合計点数を年代階層別、時系列の推移でみています。
それによると、男性の70~74歳、75~79歳は、2004年から16年までは漸増傾向にありましたが、16年をピークに22年までほぼ横ばい傾向です。これに対し、65~69歳は16年のピーク時から漸減傾向で推移しており、65歳に達する高齢者の体力不足が伺えます。
一方、女性はどの年代層も04年以降毎年向上しており、直近の22年では、男性が65~69歳(41.3点)、70~74歳(39.3点)、75~79歳(35.6点)に対し、女性は同42.2点、同39.6点、同36.4点と、いずれの年代層でも男性を上回りました。
運動は、体力の維持・向上や健康的な生活を送るために必要な取り組みの1つです。若いうちから無理なく行う習慣を身に付けておきたいものです。

 

健康マメ知識

ロコモ予防と筋力トレーニング

厚生労働省が今年1月に公表した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023」では、筋力トレーニングにより身体活動・運動の量が多い者は、少ない者と比較してロコモだけでなく、糖尿病、がん、うつ病等の発症・罹患リスクが低いことが報告されています。
また、筋トレの実施割合の低い傾向にある高齢者や女性では、ロコモや骨粗しょう症を特に発症しやすいことが知られており、筋トレを積極的に推奨していく必要があると同ガイドで指摘しています。
筋トレのポイントとして、①自分の体重を負荷して行う腕立て伏せなどの運動も含む、②週2~3日実施することを推奨、③有酸素運動を組み合わせるとさらなる健康増進に効果――等が挙げられていますが、個々人の状態に合わせて取り組むことも大切です。

 

提供元:健康保険組合連合会(すこやか健保2023年9月号) **禁無断転載**
すこやか健保は健康保険組合連合会ホームページより一部ご覧いただけます。関連リンクよりご覧ください。

 

問い合わせ先

保健事業チーム TEL:052-880-6201 E-mail:jigyou@chudenkenpo.or.jp