データヘルス計画

2014年4月に、健康保険組合が実施している保健事業に関する指針の一部が改正されました。

これに基づき、すべての健康保険組合は「データヘルス計画」(保健事業の実施計画)の作成と、2015年度からの実施を求められています。

データヘルス計画の目的

日本の国民医療費は年々増加していますが、その原因としては糖尿病をはじめとする生活習慣病が高い割合を占めています。高齢になるほど生活習慣病になるリスクも高まるため、高齢化の進行にともなって、今後ますます医療費の増加は加速すると思われます。

そのため国の「日本再興戦略」(2013年6月14日閣議決定)には、「国民の健康寿命の延伸」が重要施策として掲げられています。データヘルス計画は、その実現のための計画です。

データヘルス計画の取組

データヘルス計画とは、医療費データや健診データの分析結果に基づいて、保健事業を「Plan(計画)」「Do(実施)」「Check(評価)」「Act(改善)」のPDCAサイクルで効果的・効率的に実施するための事業計画です。具体的には、データの分析によってまず現状を把握し、現状把握から見える健康課題を抽出します。次に抽出した課題に対応した保健事業を選定し、目標・評価指標を設定します。

そしてこの計画に基づいて実施した保健事業の結果を分析・評価し、次年度の保健事業に生かしていきます。つまり、やみくもに事業を実施するのではなく、データを活用した科学的なアプローチによって事業の実効性を高めていくことが、データヘルス計画の本質です。

また保健事業の実施においては、事業主との協働により実効性が高まる場面が多くあります。一方で事業主にとっても、効果的な保健事業は生産性の維持・向上につながる可能性があります。そのため、事業主とメリットを共有して事業を推進することが、データヘルス計画を実施する上で効果的です。

Plan(計画) これまでの保健事業の振り返りとデータ分析による現状把握に基づき、加入者の健康課題を明確にした上で事業を企画
Do(実施) 費用対効果の観点も考慮しつつ、次のような取組を実施
・加入者に自らの生活習慣等の問題点を発見しその改善を促すための取組
・生活習慣病の発症を予防するための特定保健指導等の取組
・生活習慣病の進行および合併症の発症を抑えるための重症化予防の取組
・健康・医療情報を活用した取組
Check(評価) 客観的な指標を用いた保健事業の評価
Act(改善) 評価結果に基づく事業内容等の見直し
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特定健診制度との関係

2008年度に開始した特定健診制度は、健診データを電子的に標準化し、データに基づき保健事業のPDCAを回すことをねらいとしています。また、特定健康診査等実施計画は、保健事業の中核をなす特定健診および特定保健指導の具体的な実施方法等を定める計画であることから、保健事業を効果的かつ効率的に実施できるよう、データヘルス計画と特定健康診査等実施計画とは相互に連携して策定することが望ましいとされています。

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特定健診・特定保健指導

計画の期間および公表・周知

データヘルス計画の期間(第1期)は、2015年度から2017年度までの3年間です。2018年度からの第2期データヘルス計画期間は、特定健康診査等実施計画(第3期)の期間と合わせて、2023年度までの6年間となっています。

また、保健事業の目的や内容が加入者、事業主等の関係者に理解され、事業の実効性が高まるように、データヘルス計画はホームページや広報誌等で公表され、関係者への周知が図られることになっています。

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