健保からのお知らせ

2021/02/15

【すこやか健保☆定期便のご案内】増加する食道の病気「逆流性食道炎&食道がん」を知る!(2月号)

健康保険組合連合会の刊行誌「すこやか健保」より、みなさまに有用な情報を「すこやか健保☆定期便」として定期配信いたします。(毎月15日頃配信予定)

今回は、「増加する食道の病気『逆流性食道炎&食道がん』を知る!」です。

みなさまの健康リテラシーの向上にぜひお役立てください。

「逆流性食道炎&食道がん」を知る!

 食道は口から入った食べ物を胃に運ぶ、20〜30センチほどの長さの器官です。

 一番重要な役割は、どんな状態でも、例えば横臥(おうが)や逆立ちをしても食物を逆流させずに胃まで送り込むことです。

 実は最近、食道の病気が増加傾向にあります。

 今回は逆流性食道炎と食道がんを中心に、症状や原因、予防法などを紹介します。

 お話を伺ったのは、順天堂大学医学部附属順天堂病院の食道・胃外科で診察をされている鏡視下食道がん手術のスペシャリスト、峯真司先生です。

その胸焼け、吞酸(どんさん)、胸の痛み、「逆流性食道炎」かも

  胸焼けや酸っぱいものが込み上げてくる吞酸、げっぷなどに悩まされていませんか? もしかすると「逆流性食道炎」かもしれません。

 逆流性食道炎は、胃液などの消化液が食道に逆流し粘膜が炎症を起こす病気です。通常、口から入った食べ物は、まず閉じていた上部食道括約筋が緩んで食道に入り、蠕動(ぜんどう)運動によって下方に運ばれます。次に下部食道括約筋が緩み、噴門が開いて胃に入ります。本来は下部食道括約筋がしっかり機能していれば胃液の逆流はありませんが、きちんと閉じないために強い酸性の胃液が食道に逆流することがあります。胃には胃酸から胃壁を守る機能が備わっていますが、食道にはその機能がありません。そのため粘膜が炎症を起こし、逆流性食道炎になるのです。

 下部食道括約筋が緩む主な原因には、「加齢」や「胃の内容物が多いこと」などが挙げられます。食道や横隔膜は筋肉でできている臓器で、加齢によりその機能が低下すると逆流が起こりやすくなります。肥満や食道裂孔ヘルニア(〝コラム〟参照)も逆流性食道炎の原因です。また、脂肪分の多い食事や飲酒、喫煙も下部食道括約筋が緩む時間が長くなり、逆流を引き起こしやすくなります。近年、ピロリ菌検査による治療で感染者が減少し、胃酸の分泌が活発な人が増えていることも要因の1つです。

 治療には、胃酸の分泌を抑え、食道の運動を促し胃への排出力を高める薬が使われます。加えて、生活スタイルの見直しが重要になります。

早期発見が難しく、転移も早い「食道がん」

 食道にできる悪性腫瘍が食道がんです。食道粘膜は扁平上皮という組織で覆われ、日本人の食道がんの約9割がここにできる「扁平上皮がん」です。他にも欧米人に多い「腺がん」などがあります。男性に多く、50歳代で増え始め、加齢と共に患者が増える傾向があります。飲酒や喫煙と強い因果関係があり、両方の習慣がある人は危険性が高まります。お酒を飲んで顔が赤くなる人はそうでない人に比べて約7倍、食道がんを発症しやすいといわれています。また、熱い飲食物を好む人は危険性が高まるという報告もあります。

 進行すると飲み込み時につかえたり、染みたり、チクチクしたりする症状が出ます。他にも胸やけ、声がれ、胸部の違和感、胸痛、体重減少などの症状が現れます。ただ、食道は伸縮性に富んでいるため、病気がある程度進行しないと症状を自覚できないことが多く、早期発見を難しくしています。胃がんや大腸がんなどと比較すると、比較的早い段階でリンパ節転移がみられ、その範囲も胸部だけでなく頸部、腹部のリンパ節まで及ぶケースもみられます。

 治療は、早期でリンパ節転移がない場合は内視鏡で粘膜切除ができますが、進行している場合は頸部、胸部、腹部リンパ節郭清(かくせい)を行う3領域リンパ郭清手術や、これに化学療法や放射線療法を組み合わせた治療が行われます。

食道を守るために、見直したい生活スタイル

 逆流性食道炎や食道がんなど食道の病気は「加齢」が大きな要因となりますが、日頃の生活スタイルにも発症や悪化を促す要因が含まれています。生活スタイルの改善ポイントを紹介します。

 胃や大腸など他の消化器官と違い、食道の病気はあまり認知されていない傾向があり、それがさらに早期発見を難しくしていると思われます。気になる症状や違和感を感じた場合には、ためらわずに専門医の診察を受けることをおすすめします。

知っておきたい!  健保のコト

その治療、保険がききますか?

 最近街中にある接骨院や整骨院といった施術所において、「健康保険が使えます」といった看板・広告を多く見かけますが、今回はこういった施術所において柔道整復師が行う施術と健康保険との関係について説明します。

 こうした看板・広告などを見て、肩や腰が痛いとか重いと感じて施術を受ける人がいますが、文字通り健康保険(証)が使えるのは骨折・脱臼(応急の場合を除き医師の同意が必要)、打撲・捻挫・肉離れなどに限られています。単なる肩こりや筋肉疲労では健康保険(証)は使えません。

 法律上、これらの施術は療養費払いといって、本来ならば受診者が一旦全額を施術所に支払い、後で保険者に申請し自己負担分を差し引いた額を返還してもらう「償還払い」が原則です。歴史的な背景もあって受診者が申請書に署名することで、医療機関などに受診した時と同様、一部負担を払って残りを施術者が健保組合に請求する「受領委任払い」が特例的に行われてきました。

 近年、施術を行う柔道整復師は1994年の約2万6千人から2018年には約7万3千人と24年間で3倍弱で、整形外科医の同期間の1.4倍(約2万2千人)より増えています。また、水増し請求や架空請求など、健保組合への不正請求が17、18両年度で約3万8千件もあることが健保連の調査で明らかにされました。

 健保組合の中には、これは氷山の一角に過ぎないとして、「受領委任払い」を止め「償還払い」に戻すべきだとの意見が出始めています。この背景には複雑な要因もありますが、利用者である皆さんの正しい理解が必要です。

 

 提供元:健康保険組合連合会(すこやか健保2021年2月号) **禁無断転載**

すこやか健保は健康保険組合連合会ホームページより一部ご覧いただけます。関連リンクよりご覧ください。

問い合わせ先

保健事業チーム TEL:052-880-6201 E-mail:jigyou@chudenkenpo.or.jp